河川は文明発生の拠点であり、子供たちの遊び場や癒しの場であると共に農耕地を潤すもの、かつては運搬の手段といったように人々にとって欠かせない存在です。しかし一方では大雨や洪水となった際、人命や財産を脅かすものにも変化します。このようなことから利水と治水という視点に立ち、私たちは河川と向きあってきました。

近年では集中豪雨や地震から河川堤防を防護するため、耐浸透、耐侵食、耐震に対する補強や設計も行われています。

また整備計画や設計に於いては、利水や治水の役割だけでなく、それぞれ川の個性を活かし、自然環境及び維持管理に配慮しながら生態系をも考慮した河川のあるべき姿を創出することに心がけています。

また河川の上流（渓流）に大雨が降り山崩れが発生すると、大量の土砂や大きな石、流木等が一気に下流へ流れ込みます。この土石流発生の危険が予測される場所を調査し、砂防ダムの設計も行います。
砂防ダムは、土石流を上流で食い止め、下流の人々の被害を未然に防ぐ為に設けられた砂防施設の一種で、「砂防堰堤」と言います。
砂防施設には砂防えん堤の他に、川の中に階段状の施設を設けることで川の流れを緩やかにする床固工や、山崩れが起きた場所に木を植えて斜面を崩れにくくする山腹工などがあります。

私たちは河川における設計を行う際、 魚の種類や習性、生態などを事前調査し、魚がのぼれる施設「魚道」を設けたり 落差を少なくするなど魚のことを考えた工法を取り入れ、自然と一体化した観点から設計を進めます。